チェックリスト 今そこにある安全網(4)

前回の続きです。
今回は全く別の角度から見たチェックリストです。

人生の100のリスト (講談社+α文庫)
ロバート・ハリス
講談社
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すごく簡単に言うと、自分の人生を見失わないために、「やりたいこと」を100個あげて、その全項目の「後日譚」を記した本です。前回までは項目を絞るのが難しいチェックリストですが、これは項目を出すのが難しいチェックリストです。ちょっとやってみればわかりますが、そう簡単に100も出せません。

著者はこれを大学に入る前(約50年前)に作ったあと、波乱万丈の人生を歩むことになります。すぐに願いがかなったものもあれば、2、30年経ってやっと実現したものもあれば、さすがに実現しないと考えて(あるいは興味がなくなって)入れ替えたもの、今後も実現可能性が極めて低いのに敢えて残しているものまであります。

そんなリストの「後日譚」を読んでいると、このリストは項目が多いことに意味があるような気がします。いつもは日常のこまごましたことに埋もれてやりたいことを考えるヒマすらないけど、何かにひっかかるアンテナ、できれば広めのアンテナを、普段は無意識でいいから心の中に持っておくことが、サバイバルに役立つと思うからです。

実際著者はこのリストを見ていなかった期間が何年もあり、何年かぶりに見返してみると、できた項目がいくつもあった、と言っています。夢を手帳に書いただけでは叶わないかもしれないけれど、やはり何かに書き記しておくと、人生がどこかで変わるかもしれない。そんな希望は、持っていていいと思います。

そしてもう一つ、著者が指摘するのが、リストを通して垣間見える自分自身の「可能性」。

頭でゴチャゴチャ考えるのではなく、イマジネーションを解き放って、自分の可能性を一つ一つ思い描いていく…このプロセスのおかげでぼくは何時間腰を据えて思考しても思いつかいような未来図を描き上げることができたし、自分が何に向いて何に向いていないのかを、はっきりと把握することができた。

これはとても大事です。これだけあげたリストに漏れた項目をやることは、やはり「自分ではない」方向に行っているかもしれない。もちろん直ちにやってはいけない、というわけではないけれど、それで苦しんでいるのなら「何かがおかしい」と感じさせる力が、このリストにはあるような気がします。それこそが「安全網」です。

著者はそうやって自分は「会社勤めは無理」と言い切るのですが、その反対に会社勤めしかやっていない私と重なる項目がありました。それは「コミュニティ」に関する項目です。

原宿に自分のサロンを作る
南の島で放浪者たちの集うバーを開く
ブックショップを開く
画廊を経営する

この4つの項目を著者はすべて達成しているのですが、私の「リスト」の中にも、これと似た項目があります。会社勤めの先にあるもの、あるいは会社勤めをやりながらできるもの…そういうことを妄想するひとときは、とても楽しいものです。

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