うまくいかなくなる、その時に(2)

前回の続きです

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
日経BP社 (2015-04-17)
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前回子育て家族の運営とスタートアップの会社の運営は似ている、ということを書きました。違うところもあるように思います。一つは「なにがなんでもライバルに打ち勝たなければならない」というプレッシャーを負う必要がないこと、もうひとつは、そう簡単に「清算」はできないことです。

実際には逆のことがよく起こります。すでに自分の子供のクラスメートは塾に通い始め、そこでは毎週のテストの成績が張り出され、それによってクラス替えや席替えが頻繁に行われる、と聞きます。まさに競争社会です。離婚も以前に比べて増えています。離婚する当人たちはもちろんのこと、子供たちの精神的負担もかなりのものでしょう。

離婚をしてはダメだ、と申し上げているわけではありません。また、競争社会が離婚を増やしているという単純な問題でもないとは思いますが、一方で「今、なにをやるべきか?」という根源的な問いをすっ飛ばして、ある意味安易な解決策に飛びついているような気もします。もちろん会社でも家庭でも「今、なにをやるべきか?」という問いに対する答えは結構頻繁に変わります。

私が起業家として学んだもっとも重要なことは、何を正しくやるべきかに全力を集中し、これまで何を間違えたか、今後何がうまくいかないかもしれないかについて無駄な心配をすることをやめるという点だろう。

うまくいかないときに、原因追及をやりすぎたり、ありもしない先々の心配をしてしまう、ということが私にもよくあります。今、この状況に集中する。これまでのルールやタスクセットに縛られずに、将来のやるべき事ばかりを考えずに、今どう変えるかを考える、ということは、かなりの難題です。

オーバルコースで時速360キロでレーシングカーを走らせるとき、もっとも重要なのは側壁ではなくコースそのものに意識を集中することだと教えられる。もしも側壁に意識を向けると、車は必ずそれに吸い寄せられ、衝突してしまう。

このたとえは、私にとってはわかりやすかったです。どうしても過去の経緯(速度やら向きやら)を意識してしまう。そこであきらめずに、どうにかして首をまわして別の方向に目を向ける。最も大変だけど最も大切なことかもしれません。

なにがなんでもライバルに打ち勝つ必要はない、と書きましたが、そうあくせくしなくてもいいのでは?という視点を忘れないことと同時に、打ち勝つべきはライバルではなく過去の自分であること、を忘れないようにしたいです。自戒をこめて。

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