幸福を呼び寄せるための設計:「幸せな選択、不幸な選択」

意識的な「選択」だけでなく、無意識での「選択」こそが人生を左右するのかもしれません。

この本の原題は”Happiness by Design”。日本語題では「選択」が強調されていますが、いかに幸福を「設計」するか、に重点を置いた本です。まぁ、設計するということはそこには何らかの「選択」が含まれますので、タイトルに誤りがあるわけではありませんが、なんらかの仕組みを組み立てる、という意味でいえば、やはり「設計」なのでしょう。これは自分の幸福を呼び込むための仕組み作りを説いた本といえます。

その前提として、幸福のカギは「快楽とやりがい」である、と説きます。人生の「意義」を作り出すよりも、人生の瞬間瞬間において「快楽とやりがい」に満ちている状態が継続することが重要であり、幸福につながると指摘します。意義を作り出すというプロセスを否定してることはないのでしょうけど、「快楽とやりがい」という状態に焦点をあてるやり方は、何かを苦労してつかみ取る、という方法論とは視点が異なるような気がします。

また、やりがいのためにはある種の快楽を犠牲にしうる、という観点から考えると、自分にとって適切な「平衡状態」が保てている状態を重要視しているように思えます。何かに偏らない、ある適切な状態を保てるような仕組み作りを考える。そのような視点で幸福を捉えるのは、他とは違う視点である気がします。

で、その状態を保つために重要な要素が、「注意」。

幸福は「自分の注意を何にどう割り振るか」で決まる。あなたが注意を向けるものが、あなたの行動を決定し、あなたが幸せになるかどうかも決める。

自分が見たもの、体験したもの、というよりも「注意」そのものを強調している点は、これまでにない気づきでした。そのため、自分が幸せになれるような意識のセッティングをあらかじめ決めておく、つまり設計することが大切だと著者は説きます。確かにその通りのような気がします。

自分が幸せを感じるような時間帯の設定から始まって、その時間が始まった時に自分の目にするものをあらかじめ決めておき、「注意」の対象を決めることで、自らにとっての幸福を呼び寄せる。これはとても大切な考え方のように思えます。もちろん外的要因が絶えず影響するので自分の思った通りに行くことはないかもしれない。それでも、まずは自分の中で仕組みを作っておいて、意識的のみならず無意識に幸福を「選択」できるようにしておくのは大切です。

つまり、普段自分が使っているウェブツールなり文房具なりが、幸運を呼び込む重要な要素になりかねないわけです。当然それは人によって異なるし、同一人物でも時間の経過とともに幸運の仕組みは変わって行くでしょう。ただ仕組みを変えてないのに「注意」が、あるいは平衡状態が乱されたとき、それは「再設計」が必要な時なのでしょう。そして、そう感じるのは結構頻繁にあるような気がします。

photo by tommerton2010 from Flickr

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