「より良く」変わるための言葉と心得:「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門

こういう「メタノウハウ本」は初めて読みました。しかも、新書で。

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門 (星海社新書)
倉下 忠憲
講談社
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この本で筆者が強調しているのは2点。一つは、今の自分に合ったタスク管理をするために、適切な言葉で定義された手段(あるいは武器)をいくつか知っておくべきであること。もう一つは、そもそもタスク管理を始めるにあたっての原則、すなわち「人は不合理である」という心得を知っておくべきであることです。

第一の柱は、前者の視点に基づいて、筆者による統一された目線による、多数のタスク管理に関する手法や関連語句の紹介です。おそらくこういう「メタノウハウ」を集めた本はあまりないと思います。ただ、これは重要な視点です。というのも、タスク管理の手法はそれこそ十人十色で他人の合うものが自分に合うとは限りません。さらには、今の自分に合っているタスク管理のやり方が、環境の変化により1年後には合わなくなることは十分に考えられるからです。

もちろんそれぞれのノウハウについての「さわり」しか書いていないので、深く学ぶには別の本をあたるべきなのですが、この本を読んでいると、あるノウハウを絶対化するのではなく、いい意味で相対化につながるような気がします。

第二の柱は、ある一定の合理的な論理により形成されているタスク管理に対峙するとき、基本的に「人は不合理である」ので、失敗しても何らおかしくない、という事実を押さえた上で、タスク管理に対する向き合い方を説いていることです。これも第一の柱とは別の意味で、タスク管理に対する相対化と言えるかもしれません。

いくつか取り上げたいフレーズがあるのですが、一番印象に残ったのは、以下の一節でした。

ほとんど無視されるような極小の差分。それがデルタです。変化は、このデルタぐらいでよいのです。Δ自分。これを積み重ねていく感覚です。

そう、Δ自分。少しずつ変わっていく自分。

そもそも、わざわざ手間暇かけてタスク管理をやってみようと思う人は、いろんな理由により「変わりたい」と思っているはずです。「より良く」変わりたい、と思っているはずです。「人は不合理である」という心得を知って、そう簡単には変わらない、という事実は押さえつつ、それでもやってみたら、何かが変わっていく。いわば「三日無双」でごく短期間変わって元に戻ったとしても、変わったという事実は消えません。

その変わったという事実に気づいて、なんでダメだったか?(=元に戻ったか?)ではなく、なんで3日だけでも変わることができたか?に目を向けたとき、「Δ自分」に目を向けて、それを積み重ねていったとき、自分の進路が少しづつ思う方向に進んで行く。無理をせず、しかしあきらめずに積み重ねていったとき、筆者のいう「人生の舵をとる」ことができるのかもしれません。

photo by Alvimann from Moguefile.com

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